棚式製麹機HQは、麹づくりにおいてハイクオリティな麹づくりを求められるお客様へ提案する機械です。ヤヱガキは、発酵食品業界では農産加工の味噌用の製麹機メーカーとして広く認知されています。さらなる高品質な麹づくりを求め、清酒用麹(総破精麹・突き破精麹)の製造が可能なこれまでにない製麹機を開発しました。
清酒、味噌、甘酒などの発酵に必要となる「麹」。製麹機は、そうした麹をつくる機械のことです。
ヤヱガキの製麹機が多くのお客様に支持されるのは、弊社が麹造りの機械を製造するだけでなく、自ら使用し改善を続ける機械メーカーであるからです。麹造りの相談やメンテナンスフォローなどの製造技術指導も行っており、お客様をあらゆる面からサポートしています。
全国にさまざまなタイプの製麹機を納入しており、清酒・味噌・醤油メーカーや、食品メーカーの研究室、官公庁、大学研究室などで利用されています。
国内だけでなく海外にも展開しており、アメリカ、カナダ、スイス、中国、韓国、ベトナム、カンボジアなどに広がっています。
ヤヱガキはこれまでになかった新しい製麹機「棚式製麹機HQ」を開発しました。自社の日本酒用の麹造りの知識・技術を反映し、使用者の立場から開発・改良を行いました。
元々、弊社は農産機器を得意とする製麹機メーカーで、展示会などでは「ヤヱガキは農産機器ですよね。」とお声がけいただくほどでした。その一方、「酒造会社なのに、なぜ醸造用麹の製麹機がないのか。」といった疑問が湧き、製品開発を進めました。
まずは、自社の自動製麹機HKS-30型を使って、麹室で製麹試験を行いました。結果、お酒に使える麹とは程遠く、三つの課題に直面しました。
一つ目は水分量。HKS製麹機の場合、一槽で、お米を入れバットに注水し加温するヒーター温調制御(湿式)で製麹しています。密閉された保温槽では製麹中に出た水分を槽外へ排出できず、水分量の多い麹になってしまいました。そこで多段槽に変更し保水力を分散させ、ヒーターにも湿式だけでなく、乾式(水を使用しないヒーター温調制御)を採用しました。さらにファンを搭載し、水分排出を可能としました。
二つ目は細かな温度制御。こちらにはタッチパネルとプログラミング制御を導入しました。外気を利用して槽内の温度を制御し、さらに循環ファンで温度を均一化し、品温差を約2℃未満に抑えることができました。
三つ目は突き破精麹の製麹。こちらも、プログラミング制御で温度と湿度を細かく制御することで解決しました。湿式・乾式を用い、総破精麹、突き破精麹麹のどちらも製麹することができるようになりました。
そして、清酒製造を行うお客様の視点に寄り添い、課題解決に繋がる製麹機が誕生しました。
「棚式製麹機HQ」は、3つの使いやすさで蔵元様をサポートしています。
何度も製麹試験を行い、失敗と改善を繰り返しながら、ようやくお客様に喜んでいただける製麹機を発表することができました。
「棚式製麹機HQ」を完成することができたのは、これまでの諸先輩方が残してくれた有形・無形の技術、知見があったからこそだと思います。
これからもさらに良い麹、良い製麹機を目指して、開発に邁進していきます。